「ジャンボエビ天丼、2つねぇ~」
ひとみさんは、店に入るや否や、店の主人に注文した。
人の良さそうな丸顔の店主は笑顔で応えた。
しばらくすると、今まで見たこともないような、巨大なエビ天の乗った天丼がボクらの前に並んだ。
「うわぁ、ホント大きい!駿平君、写真撮って、写真!」
ひとみさんは興奮した様子でヒョイとジャンボエビ天を箸でつまんだ。
そして彼女の顔の横に並べる。
「私の顔より大きい!」
満面の笑みを浮かべるひとみさんを、ボクはデジカメに収めた。
なんだか、どうしたんだろう、ホントにかわいい。
ボクらはガッツリと天丼を堪能し、猛烈に満腹となった。
「ご主人さん、ホント、看板に偽りなしね。すごく美味しかったです」
ひとみさんは嬉しそうに店主に言った。
「お客さんに、そう言って頂ければ、私も嬉しいですよ」
店主はまん丸な顔をほころばせた。
「ところで、ご主人、この辺りに比較的リーズナブルでオススメな旅館とかってないかしら?」
ひとみさんは、ふと思いついたように店主に尋ねた。


