そのあとのことは、なんていうか、ホント、自然の流れだった。
高いところから低いところに、水が流れていくように、ホント、自然だった。
経験のないボクは、ひとみさんに色々教わりながら彼女を愛した。
そんな、不器用なボクをひとみさんは優しく受け入れてくれた。
ボクらは何度も何度も愛し合った。
時が経つことなど、なんの気にもならなかった。
こんなに好きなのに、お互いが別々の体を持ってしまっていることに、もどかしさすら感じた。
でも、ボクはすべてを受け入れた。
そして、知った。
こんなにも、自分以外の人間を愛することができることを。
そして、それはこんなにも、幸せな気持ちになれるということを。
ボクは初めて、人間というもの、そして、愛というものを、少しだけ理解できた気がした。
翌朝、目が覚め、ボクは腕の中にいるひとみさんを見て、心の底から幸せを感じた。
彼女の笑顔を見続けていきたい、彼女の気持ちを大切にしていきたい。
そんなことを、ふと思った。
やがて、彼女も目を覚ました。
そして照れ臭そうに、上目遣いでボクを見た。
「おはよう、駿平君」
そう言って、彼女は優しくキスしてくれた。
そして照れ隠しなのか、いつもの口調で言った。
「それにしても、若さってスゴいわねぇ。私、体が壊れちゃうかと思ったわ。そのうち、5つ子でも出来るんじゃないかって、真剣に考えちゃったわよ」
久しぶりにひとみさん独特の軽口が聞けた。
ボクもそれに笑顔で答えた。
「大丈夫、安心してください。5つ子だろうが、6つ子だろうが、責任持ってボクが父親になりますから」
「そうねぇ、お互い、親には泣かされてきたからねぇ」
ボクらはお互いの顔を見つめ合い、微笑みあった。
そんなたわいもない会話すら幸福を感じてしまう。
ボクらの人生は再び交わってこれからの、ボクらの未来を築いていく。
どんなものになるかは、想像もつかないが、きっと悪くはないはずだ。
だって、ひとみさんとボクの未来なんだから。
~了~


