ならば、受け入れなければ。
ボクはそう思った。

これが、ボクの人生ならば。
ひとみさんに出会ったことも、母親に再会したことも、父とひとみさんが出会ったことだって、それに、彼女が今日、日本を去ることだって。
これはすべて、様々な人々の重なった偶然から生まれた人生の必然なんだ。
ボクが彼女に出会ったことも、好きになったことも、そして、別れることも。

これらのことは、この先のことにもきっと、色々と影響を与えていくだろう。
でも、それは偶然ではなく必然なんだ。
それが、きっとボクの人生なんだ。

だから、今はまだ少しツラいけど、いつかきっと、ひとみさんと出会ったことを、良かったと振り返ることが出来ると思う。


川から立ち込める霞はいつの間にか消えていた。
晴れ渡る青い空に吸い込まれそうな気分になる。
ボクは護岸に寝転んで、もう少しの間、その青さを眺めることにした。