.三年前.
「愛してる、、、ゆら、。」
そんな、偽りの言葉が
部屋中に響き渡る。
『わたしも、、』
偽りの言葉に偽りの言葉を重ねる。
私は。
真っ黒だ。
.....
「はぁ、、ありがと。これ。」
男は一万円札を差し出す。
『どうも。 じゃ。』
「おぅ。」
そう。
私は15歳から援助交際を始めた。
怖くなんかない。
なれちゃった。。
気づけば時刻は18時をまわっていた。
『あ。やば。』
私は保育園へ向かう。
私には5歳の弟がいる。
なんで私が迎えに行くかって?
それは、、当時14歳の私と2歳の弟を残してお母さんが家を出て行ったからだ。
父親はまだ私が1歳の時に出てったから顔さえ覚えていない。
今のでわかったかな?
私と弟は父親が違う。
弟の父親は外ではニコニコしている優しそうな人だった。
けどね、、家に帰るとちがったんだ。
まだ幼い弟の前で私の腕や足、お腹を何度も蹴ったり殴ったりしたの。
お母さんも前は優しかったのに、だんだん冷たくなっていて。
あぁ。もぅ。捨てられちゃうんじゃないかなって。
幼い私でも気づき始めてたんだ。
弟の父親が来てから半年。
まだ寒さの残る三月。
お母さんと昔よく行った公園のとこに捨てられちゃった。
それも。。
父親もお母さんも可愛がってた、まだ、2歳の弟も一緒にね。。
もうね。。
よく分かんなかった。
だって。。
まだ私も14歳だったんだよ。
けどね。。
自分のことよりまだ産まれて二年しかたたない小さな弟を捨てた事がたまらなく辛かった。。
なんか。
ごめんね。って思ったんだ。。
けどね。
それと同時にこの子には私しかもういないんだって思ったの。
自分はもういいんだ。
どうにかしてこの子を幸せにしてあげよっておもったの。
だから援助交際を始めたんだ。
まだ働けない歳だったからね。
捨てられた次の日が私の15歳のお誕生日だったの。
そんな15歳の春、援助交際を始めたんだ。
.......
『かいー。お姉ちゃん迎えにきたよ ! おいで !』
「おねえちゃーん! おそいよー! もぅ、かい眠くなっちゃったっ。」
私よりも小さな手で一生懸命、目をこすりながら眠いよーなんてだだをこねる甘えん坊なかい。
『もぅ。はい。どうぞ!』
って、言ったら何も言わずにあくびをしながら背中の上にちょこんとのった。
『今日も1日ありがとうございました。』
と少し小太りだけど太陽みたいに優しそうな笑顔で見守る保育園の先生に挨拶をして家に帰る帰り道。
寝てしまっていると思ってた、かいが急に喋りだした。
「お姉ちゃん。なんかおじちゃんと同じ匂いがするぅ。」
おじちゃんとは私たちが借りている小さなアパートの大家さんのこと。
優しいんだけど、少しタバコの匂いが鼻につくんだよね。。
その匂いはかいが苦手な匂いで。
きっと。今日ヤった牧野さんのタバコの匂いだ。。
そっと心の中でかいにあやまって嘘をつく。
『今日おじちゃんにあったからかな?
ははは。そんなにおじちゃんの匂いするかなー?』
そうすると
「んーー。でもおんぶがいいから、かい、我慢するぅ。」
って。ふふ。
甘えん坊さん。かわいいな。
『ごめんね。。』
嘘をついたことといっしょに静かに謝った。
