年上な彼と年下な私


そしていつものように
他愛もない会話を再びしながら歩き出す。


怒ってるの?
私の問いかけには一切触れずに
話を進めた玄也。

やっぱり怒ってたのかな…。
謝ったほうが正解なのかもな。
でも、なんで謝るのなんて聞かれたら
なんて言うべきなのか…。
素直にヤキモチ妬いてると思って、
なんて言ったら喧嘩ぽくなるだろうからなぁ…。



「あ、着いたな。」



玄也は止まって、
私に傘を返す。

気づけばもう家の前だった。



「あ、玄也ちょっとまって
傘貸すから!」

「いいよ、別に!」

「風邪ひかれちゃ困るからダメ!」



そう言って玄関先の屋根のあるところに
玄也を待たせ、
私は傘を持ってきた。



「はいっ!」

「ん。ありがとうっ。」



いつもと同じ優しい顔。


「じゃぁ、帰るわ。」

「玄也!」

「ん?」

「…なんでもない。
気をつけてね?」



当たり前じゃん。
そう言いながら手を振り帰っていく
玄也。

私はその姿を見送る。

結局、聞けなかった。
こういう時私ってダメだなって
つくづく思う。


聞きたい時に後先のこと
考えすぎて聞けない。
だからいつもの後悔する。
ダメだな私。


はぁ、っと深いため息がでる。