「朱音?朱音なのね!?」


女が私に触れようとする。


『触んないでッ!!』


手を振り払い、奈緒珠さんの背に隠れた。


「お帰り下さい。
蒼空ちゃんのお墓は教えましたが
朱音ちゃんとの接触は許しません。」


『お墓…?』


じゃあ、あのキーホルダーと花は
奈緒珠さんじゃなくてこの人が…?


「少しだけでも話を!お願いします!!」


『奈緒珠さん、この人は…?』


顔を見た瞬間、分かったけど
どうしても聞かずにはいられなかった。


「朱音ちゃんの母親よ…。」


私と蒼空を捨てた母親が今、目の前に居る。