「妹…?」 私の言う言葉が分からないのか戸惑っている。 『返せよ…。 お前らがアイツを返せって言うなら妹を返せッ!』 胸が痛い。 ズキズキと心臓がどうにかなりそうだ。 「朱音さん!?落ち着いて下さいッ!!」 私の異変に気付いたのか 李樹が慌てて肩を掴む。 『し……える…を……かえ…せ…ッ!』 周りが歪んで見えたと感じた瞬間、 私の視界は暗転した。