双姫 Ⅱ



『だぁー!それ卑怯!』


「だってまともにやったら勝てないもん!」


「卑怯で結構ー!勝てりゃ良いんだよ!!」


わざと短くボールを返す二人に頭にくる。


ネット近くに打つんだよ?姑息だわぁ〜。
私もやり返すけど!


レシーブで強目に返し、ロブで返って来た。


「わぁー!愁斗の馬鹿!
スマッシュ打たれちゃうじゃん!!」


「取りゃ文句ねぇだろ!?来るなら来い!!」


『言ったねー!?』


落ちて来るボールを見上げ、構える。


『あ……れ…?』


なんだろう。クラクラする…。


ドサッ!


「朱音ッ!類!朱音が!!」


燐の切羽詰った声を最後に意識が途切れた。