『だぁー!それ卑怯!』
「だってまともにやったら勝てないもん!」
「卑怯で結構ー!勝てりゃ良いんだよ!!」
わざと短くボールを返す二人に頭にくる。
ネット近くに打つんだよ?姑息だわぁ〜。
私もやり返すけど!
レシーブで強目に返し、ロブで返って来た。
「わぁー!愁斗の馬鹿!
スマッシュ打たれちゃうじゃん!!」
「取りゃ文句ねぇだろ!?来るなら来い!!」
『言ったねー!?』
落ちて来るボールを見上げ、構える。
『あ……れ…?』
なんだろう。クラクラする…。
ドサッ!
「朱音ッ!類!朱音が!!」
燐の切羽詰った声を最後に意識が途切れた。



