双覇(玲、類、李樹)side
「元気になりましたね。」
「うん。」
「なり過ぎだろ。」
パーン!
パコーン!
軽快にボールを打つ音がグランドに響く。
『イェーイ!
二対一で負けるなんてまだまだだね!』
「くそぉ〜!もう一回!!」
「強過ぎだろ!
どんだけ運動神経良いんだよ!!」
三人でテニスを楽しんでいる姿を見ながら
少し前を振り返ってた。
「最初は嫌われてたよね。」
「なのに追い掛け回しましたね。
あの時の朱音さんは一人にしておくと
どこか不安でしたから。」
「消えて無くなりそうだったからな…。」
今では普通に笑顔を見せてくれるけど、
あの時の俺らには考えられなかった。
「それが今となっては類の婚約者。」
「遅過ぎだと思いますけど。
私達から見れば明らかに両想いでしたし。」
「え、本当?」
「お前も朱音も鈍感過ぎだろ。
でも、通じ合って良かったな。」
「うん。」
嬉しそうに笑う類。
お前も充分変わったよ。
双覇(玲、類、李樹)sideEND



