「朱音、もう食べないの?」


『あんまりお腹空いてなくて。』


大好きな母さんのお弁当。
それなのに半分も残してしまった。


「えぇ〜?
それ朱音のお母さんが作ったんでしょ?」


「病気か?
あんなに美味い美味いって食ってたのに。」


『人を食いしん坊みたいに言うな!』


失礼なんだから…(怒)


申し訳ない気持ちでお弁当を包み、
鞄の中に入れた。


「五時限目は体育ですが大丈夫ですか?」


体育か〜。


『あ、燐。
テニス勝負するって『約束』だったね!』


「覚えててくれたんだぁ〜!」


「俺も!俺も!!」


『絶対負けないからねー?』


退院して直ぐに夏休みだったから
なかなか出来なかったんだよね。

燐が嬉しそうにしてるから良かった。