「ねぇ、あの人って…。」

「だよね!あのCMのモデルじゃない!?」


遠くでそんな声が聞こえた。


『真白、出るよ。』


「う、うん。ごめんね…。」


やっぱり、着替えるんじゃなかった。

皆と居る時は顔を見せてるけど、
街に行く時はフードを被ってた。

財閥にも私の顔は知られたし、
一般人にもCMでバレちゃった。

面倒事になる前にこの場を離れたい。


試着した服を店員に渡し、店を離れた。


「朱音、ごめん!
私が無理に着替えさせたから…。」


『真白のせいじゃないよ。
まさかタイミング良くあれが流れるなんて。』


恥ずかしい…まだやってたんだ。


「じゃあ、フード付いてる服を見に行こ!
そんで着替えてから回ろうよ!!」


『…ありがとう。』


着替えさせた罪悪感があったのか
真白はフード付きの服を探してくれた。