双姫 Ⅱ



「落ち着いた?」


『うん…ごめんね?』


倉庫から離れ、近くの公園のベンチに座った。


「えっと…夜に何かあった?」


言いにくそうに聞く感じから
何かあったのか分かってるんだろう。


『…類と……。』


なんて言ったら良いのか分からなくて
手に力を込めていると、


「うん…ゆっくりで良いよ。身体は平気?」


『…少しダルいかな。
それと、足腰に力が入らなくて……。』


「どうして泣いてたの?喧嘩でもした?」


『あれは類が謝ったの。

類が酔ってたのは分かってた。
でも、それでも好きだからどうでも良かったの。
結婚するんだし…。

そりゃあ、覚えてないのはショックだけど
謝って欲しくなかった…。』


無かった事にされたみたいで。