『知ってるならなんで…。』 この場所が直ぐにバレるのは分かる筈。 それなのに黒男はアイツに言わなかった。 「お前が類の女なら逃がす。」 『類の女なら…?』 黒男が私に近付き、フードを取った。 『…え?……る…い…??』 男の顔は類に似ていた。 綺麗な水色の瞳、違うのは髪が黒って事だけ。 「俺の名前は翠(すい)類は俺の実の弟だ。」 翠は類と同じ様に笑った。