『ライターなんて何に。』
「見てれば分かる。」
黒男は火をつけ、
そのまま天井目掛けてライターを投げた。
ジリリリリ-ッ!
煙感知器が察知し、
スプリンクラーが作動した。
『アンタ…どういうつもり?』
折角、拭いた身体が水で濡れていく。
「…………。」
『ちょっと!聞いてんの!?』
何も言わない黒男に苛立ち、
一先ず捕まえようと動くと
グラッ!
『…ッ!?』
「効いてきたみたいだな。」
黒男を見ると口を何かで塞いでいた。
『まさか…く…すり……?』
" 人の恨みが怖いのは
お前が一番理解出来る筈だ。甘く見るなよ? "
ごめん、父さん。甘く見過ぎてたかも…。
眠気に勝てず、私は意識を手放した。



