双姫 Ⅱ



「…どうして分かった。」


『最初っから?
やたら視線は感じるし、
今日は私以外モデルは居ない筈だからね。』


" モデルが使用するみたいですよ。
今日の撮影は朱音さんだけなので居ませんが。 "


李樹が言ってたから
このシャワー室に来るのは別の人間って事。


「知ってて一人になったのか、馬鹿だな。」


『まさかシャワー室に入って来るとは
思わなかったわよ。このド変態!!』


「…………。」


否定しなさいよ!本当に変態なの!?


「俺は変態じゃない。」


『返すの遅っ!
その間が寧(むし)ろ怪しいわ!!

悪いけど大人しく攫われる気は無い!』


「そんな事学習済みだ。
だから、この部屋に仕掛けを施した。」


そう言って取り出したのはライターだった。