「おぶろうか?」


『………はい?』


すみません、私の聞き間違いでしょうか…?


「朱音が良ければおぶるよ?」


うん、間違いじゃない。
この人は私をおんぶしようとしています。


「良いねぇ!その方が負担かからないし♪」


「異論はありませんね。」


「だなぁー!」


「やって貰えよ。」


『ちょ、ちょっと!?』


皆、なんて事を言ってくれちゃってんの!!


「はい!どーぞ!!」


私の前に背を向けて低く屈んだ類。


『え、ちょ……。』


「松葉杖は私が責任を持って預かりますから。
さぁ、どうぞ?」


李樹に両手から松葉杖を取られ、
結局…私は類におんぶされる事になった。