『…嘘でしょ……私のせいじゃん。』


「朱音のせいじゃねぇーだろ。
こっちは「仮婚約者」って言ってんだから。
勘違いした向こうが悪ぃ!!」


そりゃそーなんだけど。
それで皆を巻き込みたくない…。


「紘にぃ、組手してくんない?
出来れば明日から一週間。
次の日は撮影あるから怪我しない程度に。」


「撮影?危ない撮影じゃないだろうな。」


「違うわよ!
泉川社長から声が掛かったのよ♪
「モデルになってくれ」って!!」


「あー…あの若手女社長か。
「凄腕らしい」って噂なんだよな?」


「確か、歳は28だった筈だ。」


『年上なんだ…。
「呼び捨てして良い」って
言われたけど星蘭社長って呼ぼ。』


撮影かぁ…。
ぶっちゃけストーカーより面倒だなぁ。