「神崎 朱音。
今日の所は引くが、必ずお前を連れ去る。」


『誘拐宣告?
その前にアンタの依頼者見つけ出して
潰してやるわよ!!』


「威勢の良い女だ。
それはいつまで続くか楽しみだ。」


フードから見える口元がニヤリと歪んだ。


「朱音には手を出させない。
それでも来るなら俺が相手になってやる。」


「…樺沢 類。
依頼主からお前を消すように言われている。

次に会った時、息の根を止めてやるからな。」


『その依頼主って誰よ!
類を消すなんてそんな事させない!!』


「そうやってお前が
ソイツを庇う程、依頼主は怒りに震える。

覚えておけ、この状況を招いたのはお前だ。」


訳の分からない事を言う黒男は
その言葉を最後に私達の前から姿を消した。