その人影を見た瞬間、
途轍もない恐怖に駆られた。

それはこんな身体だからなのか。
それとも純粋に怖いと感じているのか。

『双姫』としての自分が恋しくなった。


早く、早く取り戻さなきゃ……。


このどうしようもない不安感を取り除きたい。

近々、紘にぃ達と組手をしようと決めた。


それから長い時間バイクを走らせ続け、
着いた場所は海。


今日は海に行く予定だったから。


「おっしゃー!夏と言えば海だよなぁ!!!」


「でも、人がいっぱい居るねぇ~。」


「それが海ですからね。」


バイクから降り、海に興奮する皆。

でも、私だけそんな気分じゃなかった…。


「皆、先に行ってて。」


「…おう、ちゃんと来いよ?」


玲達は私達を気にしながらも海へ向かった。