『持ってるフリって…?』


一人になって、
遠くから料理を物色する母さんを見る。


母さん…目がハンターみたいだよ。


「神崎さん!」


『は、はい!』


突然声を掛けられてビックリしてしまった。

慌てて振り向くと
そこにはさっき倒れて運ばれた男性が居た。


『貴方は先程の…。
もうお身体は大丈夫なのですか?』


「ええ!
ご心配お掛けして申し訳ございません。

余りにも神崎さんの笑顔が眩し過ぎて…。」


『私の笑顔が…ですか?』


…太陽じゃないんだけどな。
もしや、テカってるとか!?


「貴女の笑顔は私の癒しです…。
是非、私と一曲踊っては下さいませんか?」


『…へ?』


お、踊る…?


気付けば周りはダンスパーティーと化していた。