『ご存知ありませんでしたか? 元は捨て子でしたけれど 神崎家に引き取られ、今の私が居ます。 お兄さんとはその時に会いましたわ。 貴方に揉み消された事件で。』 「まさか…。」 『貴方のあの時の言葉。 今でも鮮明に覚えております。 「あれは不幸な事故だった」 たった一言と現金で片付けられた時、 人がこの世で 一番恐ろしい生き物だと学びましたわ。』 私の言葉に顔色が悪くなる父親。 分かったんだろう、私があの時の被害者だと。 殺された双子の姉だという事を。