「朱音、とっても綺麗よ!」


『そ、そうかな?』


でも、高いヒールなんて履き慣れてないから
ツマづかないか心配…。

キスマークはファンデで隠しました!
見られたらマズいもんね…。


「さぁ、心の準備は良い?」


目の前には豪華な扉。

ここを開けたら私は注目の的になるだろう。

それ程『神崎』の名は知られている。


『…令嬢らしくね。』


今迄乗り越えて来た事を思い出す。

胸を張って、笑みを浮かべて。


『お母様、行きましょう。』


穢れた世界へ足を踏み出した。