「会ったのか?」


『アンタの前にね。
私と分かって飛び掛かろうとした。
取り押さえられてたけど。』


「そうか…。」


『…魁、自殺なんて許さないからね。』


「…ッ!?」


『罪を償うんでしょ?
だったらシャンとしなさいよ!!』


自殺なんて命への冒涜(ぼうとく)よ。

しようとしてた自分が馬鹿みたい。


「…お前、名前なんだったっけ。」


『朱音、神崎 朱音だよ。』


「朱音…。
罪を償ってもう一度お前に会いに行く。」


魁は椅子から離れ、
私と境にある透明の壁に手を付く。

私も椅子から離れ、手を合わせた。


『なら『約束』して。
必ず罪を償って、会いに来るって。』


「あぁ、『約束』だ。」


妹を殺した憎い仇に『約束』をするなんてね。

でも、分かる。魁なら大丈夫だって…。