すまなかった…?
『どういうつもり?今更…ッ!!』
「俺は認めて貰いたかったんだ。」
認めて貰いたかった?誰に?何を?
「俺の両親に…。」
『それと蒼空を殺した事は関係ない!
何よ…親が居るだけで良いじゃない。
私達には親なんて居なかったんだからッ!!』
私と蒼空は捨てられたんだから。
「親が居ない…?」
『私は捨て子だった…そして蒼空も。
私にとって大切な家族をお前らは奪った!!』
フツフツと怒りが込み上げる。
「すまない…すまなかったッ!!」
でも、目の前に居る東条は
涙を流しながら謝罪している。
本当に人を傷付けても
なんとも思わなかった男と同一人物だろうか。
それともそうさせたのが両親だったのか。
東条が私を『双姫』を生み出したように。
東条も私と同じ様に
違う自分を生み出したのかもしれない。