皆が扉を開けて帰ってゆく。


これでいい。


あいつらになんて思い出もくそもないわ。


よかった。何も無いうちに離れられて。


愛は正しい。自分が思ったことをしたまで。


『……碧。』


「なんだ」


『あんたはここにいて。』


「……あぁ。」


さすがに病院で1人は辛い。


しかも多分碧のおかげでひとり部屋。


「さっきは悪かった。愛とか名乗って。」


『うんん。間違えてないよ。』


『これが碧の正しい事だと思ったら正しいんだよ。』


「愛……。愛してるんだ。」


『愛も……碧。愛してる。』


その夜愛は碧に抱かれた。