まぁそんな感じで
俺はこうやって惚気まくって
フニャフニャなわけやけど
「…なぁ紗香。」
「ん?何?」
「…っ、いや、そこから動かんといて!」
「え、何でよ。」
現在、お昼時。
俺と紗香はユカリに追い出されて
中庭に来ていた。
今はその中庭で
先に座った俺に習って
横に座ろうと近寄ってきた紗香に俺が言っている。
俺から話しかけたのに何やけど
俺は近づいてくる紗香に
制止の言葉をかけた。
その俺の様子に
紗香は何やら不満げに少し眉を寄せてる。
いや、あのな…
他の人に惚気てる分には
何も問題ないねん。
俺も普通や。
でもな…
「いいでしょ?座るよ?」
「…ちょ、待って!!
俺にそれ以上近づかんといて!眩しい!」
「…はい?」
…と、いうわけなんです。
朝も言うたけど
(…さ、紗香からキラキラオーラが増してる…。)
何かやけに紗香が可愛く見えて仕方ないというか…
あれ、この子こんな美人やった?
笑顔こんな眩しかったっけー?
…って感じで俺の目がその輝きで潰れそうって言うかなんて言うか…
とにかく!!
「これ以上近付かれたら俺の心臓止まるっつーか
何かやばいっつーか胸がキュンとなるっつーか!!」
「…な、何言ってるの祥一。」
そんなギャーギャー騒いでいる俺の前で
少し照れたように変な顔をしながら
立って俺を見つめる紗香。
いやでもホンマやねん!!
ホンマにドキドキが止まらんっていうか
女子で言う胸キュンっていうか
「…紗香見てるだけで何かもう俺
どうしようもないねん…。」
と俺が頭を掻きながら言えば
「…バカね、祥一。」
と 紗香の口から俺に向かって言われる。
「ば、バカって何やねん!
俺は割と真剣に悩んで……る…。」
悩んでるねんぞ
と言おうと思って
勢い良く顔をあげれば
そこには
紗香の優しく 嬉しそうな微笑み。
(っ、な、ななな…?!)
何でそんな…
そんな可愛い顔して俺のこと見てんねん…?!
と俺が混乱していれば
ついには…
「…私も祥一がカッコいいから困ってるよ。」
「〜〜っ?!?!」
-------ドクンッ!
息を飲むほど
可愛い微笑みで
その場にしゃがんで俺を見つめる紗香。
視線が同じになって
照れたように頬を染めながら
微笑む姿が…何か、もう…
「…お、お前なぁ…!!」
「っ!ちょ、祥一…っ?!」
------ギューッ!
俺は目の前にしゃがみ込んでいた紗香の
腕を掴んでそのまま俺の方へ引く。
すると勢い良く紗香の体が
俺の方へ倒れこんできて
俺は強く、紗香を抱きしめた。
(っ、んな天使見たいな顔されたら
抱き締めたい気持ち止められんやろ…!!)
学校やからって遠慮してたもんを
お前は本当に…!!
「…紗香が悪いねんからな。」
「え、何言って……って、ん!」
------チュッ
そう言った紗香の唇を
俺はそのまま 塞いで黙らせた。

