--------ドクン、ドクン…
真剣な秦山の表情に
私の心臓はどんどん加速していく。
…名前で呼んでくれ、って…
(よ、よよ呼び捨てってこと?!)
言葉の意味を理解して
私は余計にボンッ!と体温が上がった。
「な、なな何で?!」
「…俺も呼ばれたい、祥一って。」
私が動揺しながら言えば
秦山はさらに迫るように
グッと顔を近づけてきた。
(っ……!!)
それにもまた
私は心臓の動きが速まる。
そして…
「……小林、呼んで?」
「……!!」
目があったまま
至近距離で 秦山がそう囁く。
-------ドキンッ…
そしてまた大きく
胸が高鳴った。
(……っ、恥ずかしい…。)
私は自分でもわかる位
熱い顔を背けるように 秦山から顔を逸らして
そして小さく言った。
「………祥一。」
「-----!!」
(〜〜〜っ!言ってしまった!!)
小さかったけど聞こえてるのかな?
聞こえてなかったとか嫌だなぁ…。
どうしよう引かれてるかな?
『やっぱりないわ〜!』って笑われたらどうしよう。
などと
わぁーーーっと頭で駆け巡る思いに
私は不安で目をぎゅっと瞑る。
…しかし 秦山の反応がない。
おかしいな…やっぱり何か思われてる…?と不思議に思って
不安ながらも
ゆっくり秦山の方へ振り返れば…
「………へ…。」
秦山は
私を見たまま固まっていた。

