「あ、さっちゃん!おはよう!」
「ユカリ、おはよう!」
熱が下がって学校に登校すれば
いつも通りユカリと挨拶をかわし
チラッと横を見れば……え?
(あ…れ………?)
いつもと違うのは---そう
秦山が、他の女子と話していないのだ。
去年と同じように
ヒロキと一緒にいて
楽しそうに笑いながら男子の中にいるのだ。
-------あれ、夢…かな…?
だって一昨日まで
あの女の子たちと話して…
「ふふ、さっちゃん。」
ユカリが私に
嬉しそうに微笑みながら話してくる。
「ハタね、もうあの子たちと一緒にいるのやめたんだって。」
「-------え?」
私はユカリの言葉に
目を見開いた。
え…何で…?
だってそんなことあるって
ユカリの時以来だし…
(………いや、まさか…。)
同じパターンだと
もしかして…なんて思ったりもするけど
そんなことがあるわけない。
だって秦山がまさかそんな…
「-----おぉ小林!風邪治ったんか!」
「っ!は、秦山…!」
登校してきた私を見つけるや否や
人懐こい笑みを浮かべて
男子の輪から抜け出して
私たちの方へ歩いてくる秦山。
(何…何これ…。)
去年に戻ったような気持ちになって
私は胸に湧き上がってくる
熱い喜びを感じる。
私が目を丸くして
秦山を見れば 秦山は ん?と首を傾げる。
「は、秦山どうしたの…?!」
「どうしたって、何がや?」
「だ、だって今日いつもと違っ…!」
と私が動揺していると
秦山が困ったような笑みを浮かべながら
まぁな…と言って
そこから無邪気な笑顔に変わり
でもな、と続ける。
「見つけてしまってん。大事なもん。」
「…へ……。」
「せやから、覚悟しぃや?小林。」
(っ----------!)
「…えっ……?!」
(その言葉…えぇ-------?!)
なんて思いながら
私は思わず赤面した。