「…今日怒ったりしてごめんな。…悪かったわ。」

「っ……!」

「…それが言いたかってん。
突然お邪魔してすまんな。
じゃあ俺は…帰るから。」




私にそう告げて
部屋を出て行こうとする秦山。





「っ…!ま、待って…!」






そう言って
私が秦山を引きとめれば

秦山は え。 といった様子で
目を丸くしながら私を見る。





(っ……え、と……。)






呼び止めて
特に何か言いたかったわけではなく。


ただまだ
そばにいて欲しいというか…
でていってほしくない、というか…






「…ま、まだ少し…話してたい…です。」

「っ…!」





私がそう言えば

秦山は目を見開いて
その場に固まった。




(っ…私何言ってるんだろう…!?)





思わず出してしまった声に
私は恥ずかしくなって顔を赤くする。


最悪…秦山困ってるよ…!!



と罪悪感を抱いていれば…







「…ったく、しゃーないなぁ?」

「…!!」







そう言ってドアから離れて

また私のそばへ寄ってくる。






(っ----------!)







その表情は
無意識なのか

本人は多分気づいてないだろうけど…



ものすごく優しい…笑み。





(そんな顔…何でするのよ…っ。)






なんて思いながらも

嬉しい気持ちが 隠せない。