そして始業式が終わり

私と秦山はいつも通り帰り道が最後の最後まで一緒で…





「ちょっと秦山!どういうこと?」

「ん?」

「急に夕飯食べるって…。」





私はそこで秦山に問い詰める。

さっきは返事をしてしまったけど
どういう意味で言ったのかちゃんと知りたい。





「あぁ…気分や気分。
今日夜迎えに行くから、俺の家きぃや。」

「…はぁ?!」




い、家?!

夕飯って家で食べようってことだったの?!



てっきり外食かと思ってた私は
秦山の言葉にまた目を見開く。




(そ、そんな幼馴染とか彼女でもないのに…!)




ユカリも呼ばないで
私だけご飯食べに家に行くなんて
普通あり得ないでしょ!






「えーからえーから。気にせんで普通に遊びに来ればええやん。」

「遊びにって…あんたねぇ!」




前に私に安易に男と2人になるなって言ってきたじゃん!


と私が返せば
秦山は動じずにサラッと返す。





「その時に言ったやろ
俺ならええけどって。」

「え……。」





『相手が俺やったからええけど』




…まぁ確かにそれっぽい風に
捉えられる言葉ではあるけど!!


安心なのは知ってるけど
それが問題じゃないんだって!


と思うものの
秦山は何を言っても聞かない様子で

勝手に話を進めている。





「7時くらいに呼びに行くから
寝ないで待ってろよ?」

「ね、寝ないから!」




時間まで決められて
とうとう断れなくなってきてしまった。


まぁ別に
嫌ってわけじゃないから…いいんだけど…。





(何でこんな、緊張するの…。)