X=コタエナシ

「それで?なんで恋愛が出来なくなったの?」


少し話が逸れていたような。


「俺的に、結構親父好きだったんだよ。その親父が母ちゃんに『別れないでくれ』って泣きついてるのが頭から離れなくて。」



大好きだったお父さんのそんな姿を見てしまった氷雨君の気持ちは私には理解しがたい。



「こんな風に振られるんなら、恋愛なんてしたくないなって。」


「だから女の子に告白されて、振るのが辛かったんだね…」


「うん。」


振られる痛み、捨てられる痛みを知っているから。



だから怖かったんだろう。