X=コタエナシ

『じゃあ、校門で待ってるから。』


確かに、校門のところで氷雨君は待っていた。


野球部の大きな声を背中で聞きながら。


「ごめん。ちょっと遅くなった。」


職員室に部室の鍵を返しに行っていた。


いつもなら氷雨君が返しに行ってくれているけど、今日は先に部屋を出るのが、何だか恥ずかしかった。


「ううん。そんなに待ってないから。大丈夫。」


そう言って、二人で並んで歩き出す。