「咲夜ちゃんごめんね。この間は。」


日和先輩がいつもより少し低い声で謝った。


「大丈夫でしたよ。氷雨君が送ってくれました。」


「え!あのひー君が!」


その呼び方に何故か胸を通るモヤッとするものがあった。

気付かないふり、気付かないふり。

深呼吸で息を整える。


「そうですよ。あの氷雨君が。あの人たちが誰なのかも教えてくれましたし。」


「そ、そーなんだ~」


少しぎこちなかったのは、私の気のせいじゃないよね。