X=コタエナシ

乗り場に並んでいると、前の方に小暮たちを見つけた。


「あ…。」


声が漏れはしたものの、咲夜に言ったら大変な事になるって分かってる。


「どしたの?」


「何も無いよ。ほら、乗ろう。」


手を引いて、ゆっくり動く観覧車に乗る。




「綺麗だねー。」


子供みたいにはしゃぐ咲夜を見て、やっぱり可愛いなって思う。


「だな。」


そっけなく返事をしたのは、反射みたいなものだ。


「そういや、これの何個か前に小暮たちいたぞ。」


「えっ…そうなの?」


「ああ。」


言いたくなかったけど、隠し事があるっていう後ろめたさから解放されたかった。


「仲直り…出来たんだね。」


「喧嘩してたわけじゃなかったんだけどな。」