【氷雨side】
「氷雨…瑠依にこんなの貰ったんだけど。」
そう言って小暮が俺に小さなチケットを見せてきたのが全ての始まりだった。
「何これ?遊園地のチケット?」
「うん。今度行こって。一緒に行く?咲夜ちゃんも一緒に。」
この間のバレンタインに、瑠依にキスをしてからというもの、恥ずかしくて面と向かって話が出来ていないだとか。
「二人で行って来れば?せっかくなんだし。」
俺たちがいたら…デートにはならないよな…?
「氷雨知らないの?この世にはダブルデートっていう素晴らしいものがあるんだよ!」
弁当片手にそんな熱弁されても…困る。
「お前…声でかい…」
皆の視線を独り占めしてるな…。
クラスでもイケメンの部類に入るコイツがダブルデートについて熱弁してたら、まぁ気にもなるよな。
「というわけで、行きませんか!一緒に!」