X=コタエナシ

もちろんその日の授業なんて耳に入ってこず、頭を駆け巡るのはあのラブレターと…




「ここで、主人公は、とびっきりの笑顔で、こういいました。君が好きだってね。」



国語の先生がいきなり言ったその言葉にびっくりした。


「せんせー、そんなこと書いてないでーす。」


「そうだよ。先生自分が彼女欲しいからって授業中にそれはだめだと思いまーす。」


皆が口々に言う。


(独身も大変なんだな。)


心の中でそう思った。


「恋人か…」


その小さな独り言は、皆の声にかき消されていった。