X=コタエナシ

「で、日和なんて言ってた?」


笑いを必死にこらえながら、私から携帯を優しく奪う。


「チョコ要るって。」


「そこじゃねえよ。」


じゃあどこだよ…。それしか氷雨君が知りたいような情報は何も無い。ハズ…。


「最後に。なんて言ってた?」


いきなり大きな声でびっくりした。


(内容的に…教えたくない…。)


嘘はつけないし…。はて、何と言おう。


悩んだ末、真実に近い嘘を吐く事にした。


「本命はいるの?だって。」


私の言葉に氷雨君の頭にハテナが浮かんだ気がした。


「おかしいな…あいつ知ってると思ってたんだけど…。」


心の中でふふふと笑う。だって、私は嘘をついている。氷雨君には分からない謎だよ、これは。


「ま、そんな感じ。という訳で、私たちは頑張るので、そっちも頑張ってください。」


「は?何言ってんの咲夜?」


分かんないだろうね。男どもには。


君たちの仕事は、チョコを貰ったときに、私たちが欲しいリアクションをする事だよ。それが分かってこそ良い男ってもんだと、私は思う。