X=コタエナシ

熱で浮かされた彼が、何を言ってるのか分からなかった。


「貰うって…、どうやって?」


私は滅多に風邪なんて引かないし、体調も崩さないほうだ。この場に一緒にいるくらいじゃうつらないと思う。


「こっち来てよ…。」


突然、手を引かれた。


「なっ…何?」


氷雨君との距離が一気に近くなる。残り5センチといった所か。


「ここまで来て、何されるか分かんないなんてバカみたいな事、言わないよね。



『貰って』ってそういう事か…。


「それくらい…もう分かる…。」


氷雨君が何を考えているか、もう分かるつもりだ。


「もらって…くれる?」


その目…ズルイよ…。


「もらって…あげなくも…ない。」