X=コタエナシ

「どした?」


不思議そうな顔で氷雨君が覗き込んでくる。


「離れたくないな…と思って…。」


言ってから気づいた。なんという事を口走ってるんだ私!


「俺から?」


やけに嬉しそうな顔をしてくる。その顔見たら、私まで嬉しくなってくるよ。


「うん…。」


でも、小さく頷くだけ。あからさまに喜んでなんかあげないから。


「そっか。」


それだけ言って、私の唇にそっと唇を重ねた。


「どうせ、明日も会えるんだし。今日はこのくらいな。」



(十分すぎるよ…。バカ…。)



でも、次の日、氷雨君は学校を休みました。