X=コタエナシ

「氷雨君でも、寂しいとか思うんだ…」


もう交差点についたけども、帰りたくない。氷雨君と離れたくない。


「ばっか。俺でも思うよ。寂しいって。」


少し見上げると、氷雨君の赤い顔がある。


「氷雨君と、離れたくないな。」


たまには自分から。本心を言うと、本当に離れたくないんだ。氷雨君と。


「咲夜?どうした?お前から抱きついてくるなんて…」


そう言いながらも、しっかり私を抱きしめ返してくれるから。私は君の熱が好きなんだ。


「何となく。ぎゅってしてほしいなと思ったから。」


また氷雨君を強く抱きしめる。


「咲夜、あったかいな」


見上げると、氷雨君の顔。私は背伸びをして、


「チュッ!」


ほんとに今日だけ。私からキスをして、手を振って帰った。



一度だけ振り返ったときに見えたのは、氷雨君のびっくりした顔。