X=コタエナシ

「てか、何で咲夜ちゃん知ってんの?」


ぷうと頬を膨らませながら、冬が言う。その顔、可愛いよ。


「なっ、何でだろうね~」


精一杯のごまかし。間違っても『実は氷雨君と付き合ってます。』なんて言えない。


「怪しいよ。咲夜ちゃん。」


「じゃあ、冬も氷雨君にもっとアタックしてみればいいじゃん。」


言ってからマズイと思った。冬だって顔は可愛い。もし、氷雨君が落ちちゃったら…。


「もう散々アタックしてるのに…。全然ダメなんだよね…。」


「既に好きな人がいるとか…かな?」


わざととぼけてみる。


「諦めた方がいいのかな?」


「そうだね。彼女さんいたら可哀想だし…。」


はい!その彼女さん私です。なんて、自分で突っ込みを入れながら冬に諦めるよう促す。


「分かった。あとちょっとアタックして無理だったら諦める。」


「そうしな。」


バンッと椅子から立ち上がって、


「ばいばーい」


といいながら、部屋を去っていった。



(お目当て、氷雨君じゃなかったの?)