X=コタエナシ

「でも、私!冬の彼氏に…」


あの日の事、冬は知ってるはずだ。


「良祐(りょうすけ)さんの事?いいよ。私、怒ってないから。むしろ…」


冬の片目から一筋の涙が伝う。


「むしろ、ごめん…。知ってながら、咲夜ちゃんの事傷つけちゃって…」


その涙は、本物だった。冬は今でも私の事気にかけていてくれたんだ…。


「もう、いいよ。泣かなくて。」


「うっ…う…ん。」


部屋に、冬が泣く声だけが木霊する。


「座りなよ。」


ずっと立ってた冬を、いつも氷雨君が座ってる椅子に座らせる。


「ありがとう。咲夜ちゃん。」







にしても…氷雨君、帰ってこない……。