X=コタエナシ

「べ、別に妬いてない!」


単に、冬の事が気にかかっただけで。


「トラウマ植えつけられたってのに、よく心配できるね…。」


実際、トラウマを私に植え付けたのは冬の彼氏だ。冬が悪いんじゃない。


「ま、そのトラウマも無事乗り越えたし。万事OKだな。」


「うん…。」


これも全部、氷雨君のおかげだ。


「ありがと…。」


顔が真っ赤になったけど、お礼を言っておきたくて。


「どういたしまして。」


私の頭を優しく撫でながら、氷雨君は笑ってくれた。


(勉強、しなきゃなんだけどな…)