X=コタエナシ

「分かった。」


逃げられないのは最初から分かってる。


「んっ…」


氷雨君の温かい唇が、私に重なってきた。


「ん…なっ…」


氷雨君が『逃げないで』と言った意味が分かった。


「やっ…ひっ…さ…」


氷雨君の舌が割り込んできたんだ。もちろん、こんなキスは初めてで。


「あっ……」


息が出来なくなっていく。その上、いつもの触れるだけのキスとは違って、私の心臓もどんどんスピードを上げていく。


「はっ…は、は。」


「よく逃げなかったね。えらいえらい。」


おかしいな…離してもらったのに、まだ心臓速いや…。