X=コタエナシ

「なっ、何!」


「何って、分からない?」


頬杖をつきながら、また意地悪に聞いてきた。


「分かるわけないじゃん!」


そう言った瞬間、私のあごに氷雨君の大きな手が伸びてきた。


「っ…」


塞がれる唇。


「…っ…ん…」


また離してくれない。


「はなっ……し…て…」


「言ったよね、口塞ぐよって。」


離してくれたと思ったら、いきなり氷雨君が私を抱きしめる。


「ちょっと、氷雨君、離して!」


「やーだ。」


昨日と同じように、小さい子みたいに駄々をこねる。


私は大人しく抵抗を止めた。