X=コタエナシ

「下駄箱んとこで人とぶつかってね。あ、俺が。それで、小暮ら見失って。じゃあ帰るかって感じ。」


「メガネが違うのはそのせい?」


小暮君、よく気づいたな。いい彼氏になれそうだよ、君は。


「そう、メガネぶっ飛んでった。」


「わお。」


瑠依が大げさにリアクションしてみせる。


「てわけ。ね、咲夜。」


いきなり振らないで…。


「うん。ね、瑠依。ほんとに何もないでしょ?」


氷雨君、いい人だな…心の底から感謝だ。


「つまんないの。じゃあ、帰ろっか咲夜。」


また、瑠依に腕を掴まれる。


「あっ、咲夜。今日部活あるから。」


帰り際に氷雨君がそう言った。意地悪そうな顔で。


(こりゃ放課後、覚悟して部活行かなきゃ…)



私の心臓、持つか心配だ…