X=コタエナシ

「よく出来ました。」


ニコッと笑って。そして。


「んっ…」


夕日が照らし出す私たちの影が重なった。


「ひさ…め、く…ん。」


いつまで経っても氷雨君が離してくれない。


(駄目だ…力が…抜けてく。)


氷雨君の腕をかろうじて握っていた手から力が抜けていった。


「おっと、ごめん。」


それに気づいて、氷雨君がやっと離してくれた。


「つい、止まらなくって…」


頭がぼーっとするのは、恥ずかしさとか、嬉しさとか、色んなものが混じっているからかな。