「なぁ、一個男として言っとくけど。そんなだといつか襲われるよ…」


なっ!襲われるって!


「そんな事無いと思うな…。私、色気とか無いし…」


「いや、色気の問題じゃ無いんだよな。」


じゃあ、何の問題なんだよ…


「こう、『あ、今の可愛い!』って思う瞬間があるんだよな…」


手を繋ぎながらそんな事言われると…何か…


「氷雨君、私の事可愛いとか思うの?」


氷雨君が誰を思い浮かべながらその言葉を言ったのかは分からないけど。自分じゃなかったら嫌だな…とか思ってしまった。


「何?嫉妬ですか?咲夜ちゃん。」


また、私の顔を覗き込んで…。ズルイ。かっこよすぎるよ…。


「多分…。で、私の質問に答えて!」


「てか、それ俺に言わせるの?恥ずかしくない?」


ずったメガネを人差し指で直しながら、意地悪な笑みを浮かべながら言う。


「確かに。恥ずかしいかも…」


全身がまた熱くなる。歩みを止めたくなる。


「そういう所だよ。咲夜の可愛いところ。」