X=コタエナシ

「どうした?咲夜?」


頭の中がぐちゃぐちゃになる。


(今まで散々私の事、乱しといて何なの?)


あの言葉も、あの仕草も、私に向けられたもの全て…


「同じこと、日和先輩にもしてたの?」


あまりにも動揺しすぎて、自分でも何を口走っているか分からなかった。


でも、氷雨君は分かってくれた。


「いいか、咲夜。俺の言う事を聞く前に一旦落ち着け。深呼吸しろ。」


言われたとおり、一回深呼吸してみる。


「うん。大丈夫。落ち着いた。」


頭に上っていた血が全身に戻っていった。


「今から大事なことを咲夜に話す。いいな。」



『何を伝えても受け止めろよ』


と、言わんばかりに氷雨君が私の手を強く握った。