彼女はいきなり僕を押し倒し
上に乗り発狂を繰り返す。
「ぎゃぁぐぁにゃざひにじびゃひぼひゆぼさたりゆぐぎゃいぐぃざぃりぁひじぃひゆはねぼ」
何度も何度も叫ぶ
言葉に意味はあるのか
ただ叫んでいるだけなのか
僕はこいつは危険だと思い逃げ出そうとした。
そうすると彼女は
「紋を置いていくのかぁぁあぁあぁ」
と叫ぶ
僕に一冊の本の記憶が蘇る。
【多重人格】と言う本だ。

「紋はもしかして多重人格なのか?」
と第二の人格に話しかける。

「そうだよ」
と苦しそうに紋が喋る。
そしたらいきなり野太い大きな声に変わる

「俺の名前は勝呂 勝俣(すぐろ かつま)」
と名乗る。

「あれ同じ苗字?」
僕は疑問に感じる

「同じに決まってんだろぉ」
と勝俣の方が喋る。

「勝俣とは兄弟だわ」
と紋が喋る。

何か不思議な感じがする。
いつもこんな不自然な会話がないから
慣れがないのだ。
見た目は普通の可愛い女の子だ。

「勝俣って一体なんなんだよ」
訳が分からなくなり叫ぶ。

「それはね……それはなぁ俺達は事故にあってなぁ。」
と紋が喋ろうとしたのを押しのけ
勝俣が喋り出す。
多分勝俣の方が深い思い入れがあるのだろう。

「事故にあった時に俺たちは二人、同じ神を見た。俺らは元々四人家族でな、
その事故で親は二人死んだんだが、姉ちゃんの体だけ無事だったんだ。
その神が紋の体に俺の魂も憑依することが出来るって言っててさ。
俺は姉ちゃんの負担になるからやりたくないって力を振り絞って言ったのに、
この馬鹿姉貴早くやってって叫んで。
こうゆう体になった訳だよ」
と具体的にちゃんと教えてくれた。

僕はなんか不思議に同情ができる。
まぁこれでほぼこの兄弟が差別意識を
なくそうとしているかが。
俺の予想だと……
「多分ー事故に合わせたのが上の人なんだよね?」
僕は心が痛くなりながらも聞いてみる。

「そうだよ」
「……」
紋は答えてくれたが。
勝俣がまだ事故を引きずってるみたいだ。

「よしっ!三人で絶対。その犯人を見つけ出すぞぉ」
と僕は勝手に判断した。

「おおおおぉぉう!」
勝俣がいきなり元気になった。
このことに賛成みたいだ。

そうして僕らRAKが作られたのだ。